3・6びわこ集会の報告

原発のない社会へ 3・6びわこ集会

集会は15時から、東日本大震災、福島原発事故の犠牲者に1分間の黙とうを捧げた後主催者の挨拶で開始された。前段にせやろがいおじさん(えもやん/リップサービス)の時事放談・漫談で「笑いと相槌」の時間が設けられたのは今年の特徴といえよう。参加者500名。

力強い連帯挨拶 

〇参議院議員 嘉田由紀子 東京での反原発運動の紹介と連帯の決意

〇米原市長 平尾道雄 原発稼働を許さないためには野党共闘が必要

今年の基調報告要旨

★はじめに

福島事故から10年。政府は原発事故は終わったかのようなムードづくりをしているが、緊急事態宣言は今なお発令中であり、廃炉作業は進んでいない。。さる2.13深夜、福島沖の地震で福島1・3号機格納容器の水位と圧力低下。新たな損傷が懸念されている。一方、避難者を見えなくしたい政府は住宅支援打ち切り、原発周辺の帰宅困難地域に住民を帰還させようとしている。

★老朽原発の運転

 福島事故から10年。動いている原発は本日現在、大飯4、玄海3,川内1・2号機の4台に過ぎない。原子力ムラの目論見は大きく崩れた。そのことから原発の闇の世界の一端が見えてきた。原発立地を受入させるために不明朗な巨額の金の動きと、その金の一部である数億円もの金が関西電力の取締役に還流が明らかになったのである。市民の原発に対する嫌悪感は強くなるばかりだ。

若狭地域の老朽原発3機を稼働させようとしている動きを止めねばならない。

★司法の変化

昨年12月、大阪地裁行政部が、大飯3,4号機の設置変更許可処分を取り消す判決を出した。大阪地裁行政部はエリート裁判官のポスト。エリート裁判官でも原発の運転を差し止める時代になってきたのだ。その背景には、全国で原発のない社会を求めて運動してきた多くの市民の方々の運動の成果がある。全国の裁判所で、原発差し止めを求めて、30を超える裁判が闘われている。司法の流れが本当に変わってきたのか、是非注目してほしい。

最後に

福島事故が明らかにしたのは、人類は核エネルギーを制御できないこと。核とは共存できないことである。そして、この10年の時間が明らかにしたのは、原発を動かさなくても日本の電力供給に支障がないこと。再生可能エネルギーによる発電方法が大幅にコストダウンし、原発は経済的合理性もなくなったこと。それでも核エネルギーを使った発電に執着する人たちがいること。そして、許さない点は、核エネルギーに対する人々の警戒心を解くために、被ばくによる被害が徹底的に軽視されることである。私たちや子どもたちの命と健康を守り、びわ湖を守るためには、原発の運転を断念させるしかない。同時に、被ばくによる健康被害をごまかすことなく、行政をして、これに向き合わせることが必要となる。

私たち市民の地道な努力が少ししずつ実を結んでいることに思いを致し、しかし今後も長く地道な努力を続ける必要がある事を改めて自覚し、私たち一人ひとりが次の10年もこの歩みを続ける意思であること確認し合う集会であった。

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