社民党滋賀県連合は12月21日、「大椿副党首と政治を語る集会」を大津市内で開催し、約50名が参加して高市政権の危険な動向について考えあった。
冒頭の挨拶で福井勝・県連合代表は「高市政権は戦争準備を急速に進めているが世論調査では支持率は極めて高いし、集団的自衛権には賛成が50%近い。この政治を止めるには国民への日常的な訴えかけを強めていくほかない」と訴えた。
大椿副党首は、まず参議院選挙を振り返って、「社民党はどうにか得票率2%の政党要件を確保したが1名の当選に留まった。地域に根を張る自治体議員を増やすことが重要だ。滋賀でもぜひ生み出してほしい」と呼びかけた。
そのあと、高市政治の危険性について次のように指摘した。
成立した補正予算は18兆3千億円と異常に大きいが緊要性のないものが盛り込まれた。しかも財源の確保がない無責任な財政運営だ。防衛費はGNP2%を前倒し確保するとして1兆1千億円を積み増しした。その結果、当初予算と合わせて9兆8千億円に達した。
衆院議員の定数削減は、民主政治の根幹を破壊するもの。台湾有事をめぐる高市発言は、中国との関係を悪化させ、深刻な事態をつくっている。スパイ防止法や国旗損壊罪の新設は、特段の必要もない立法だ。
「日本も核兵器を持つべきだ」と官邸幹部に語らせたが、「非核三原則」を真っ向から否定するもの。被爆者の気持ちを逆なでしている。
アイデンテシーの確保のためには選択的夫婦別姓の実現が必要だが、極めて消極的である。旧姓使用の拡大では問題は解決しないし、かえって煩わしさが増える
そして、最後に「働いて働いて働いて…」とワークライフバランスを無視し、労働時間規制の緩和を狙うのは歴史の流れに逆行するもの、と厳しく批判した。
講演後の質問に答えて大椿さんは、「必要なのは若い人たちに社民主義の良さを伝えること」と語り、「その橋渡しをするのは私たちの仕事」と述べた。そして、「社民党は弱い立場にある労働者と共同し闘う。ここに党の活路がある」「社民党は野党共闘のつなぎ役となっていきたい」などと語った。
集会参加者たちは熱く思いを語る大椿さんに共感し、再度国政の場で活躍してほしいとの思いを強く持った。
