美浜3号機再稼働に関する情報

やめよ、老朽原発の再稼動

美浜3号機の現地で連続抗議行動

滋賀からの参加者のリポート

(「社会新報」8月31日号より転載)

「老朽原発」の再稼働に反対する緊急行動が7月24日、8月10日に相次いで福井県美浜町の現地で実行され、全国から併せて400名近くが結集した。

関西電力は、運転開始後45年の美浜3号機を昨年6月23日、強い反対と不安の声を押し切って再稼働した。老朽原発としては初めての再稼働であった。しかし、テロ対策の特重施設設置が期限に間に合わないことが判明し、昨年10月、わずか3ヶ月で運転を停止した。その後、関電は今年10月に運転を再開すると公表していたがこれを8月12日に前倒しすると発表。

この間、7月13日、東京地裁は「東京電力株主代表訴訟」判決で、福島原発事故前の東電幹部に対して、「安全意識や責任感が根本的に欠如していた」として、史上空前の13兆円に上る賠償を命じた。

強引な再稼働が迫る中、両日、「老朽原発・美浜3号うごかすな!現地行動」が実施された。主催は関西の「老朽原発を動かすな!実行委員会」。美浜原発を対岸に望む弁天崎海岸での集会、美浜町内でのぐるぐるデモ、関電原子力事業本部前での抗議集会や関電への申し入れなど多彩な行動が炎天下の中で行われた。

抗議行動での申し入れでは、実行委員会の木原壮林さん、中島哲演さんなどの代表が事業本部へ入り、「多くの危険性指摘を無視して老朽原発を稼働させ、重大事故が起こった場合、それは故意による犯罪である」と関電側にきびしく警告し、再稼動中止を強く求めた。

②美浜3号動かすな22.8.10

写真① 美浜町内のデモ(8月10日)

しかし、関電は再稼動を早める動きを捨てず、8月10日の再稼働を予定した。ところが3号機は、8月1日、放射性物質を含む7トンもの一次冷却水の漏洩が発覚、再稼働どころでなくなった。8月9日は、美浜3号機が18年前、第二次系の復水系配管が破断し、11名が死傷する大事故を起こした日。毎年、関電は、この日を「安全を誓う日」としているが、皮肉にも、その直前のトラブルだ。昨年6月の再稼動後、3回目の事故。いかに老朽原発が危ういものかを証明している。

③美浜3号再稼働反対22.7.28

写真② 美浜町内のデモに出発するデモ隊(7月24日)

地元の町長や町議会は再稼働を容認しているが、7月24日の抗議集会では美浜町の二人の町議が発言した。弁天崎集会では松下照幸議員が、「原発は廃管の塊だと言う関電社員がいる。原発の技術者を養成する大学の原子力工学科はどこも廃止された。原発の寿命は終わっている」と発言。原子力事業本部前の集会ではもう一人の河本猛議員も怒りをこめて発言した。

きびしい暑さなかのデモに対して、家から出てきて手を振る町民が何人もいた。この励ましに参加者たちは「老朽原発廃止」への強い意志をさらに固めた。

「もう老朽原発はうごかしてはならない!廃炉しかない!」との思いが強まるなか、抗議行動は継続されている。

④美浜3号再稼働反対行動

写真③ 美浜町内で開かれた抗議集会(7月24日)

危険な再稼働を強行

関電はトラブル続きの老朽原発・美浜3号機を8月30日13時に再稼働した。

「老朽原発を動かすな!」という民意を蹂躙した危険極まりない再稼働である。

再稼働の発表はわずか20時間前であり、しかも、立地自治体である美浜町や福井県との事前協議もないまま。関電の傲慢さを示している。

原発のない、人の命と尊厳が大切にされる社会を実現するために、引き続く闘いが必要である。

(編集部)

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